ファイナンシャルプランナーが考える20代独身で入っておくべき保険は?
「病気で入院なんて、健康だから考えられないから保険はまだまだいいか」と考えていたり、逆に保険のオバさんの勧められるがままに加入していて、よくわからないままに毎月1万円くらいの保険を払ってる、なんてことはいないでしょうか?
保険に入る入らないは人それぞれですし、必要な保障の内容も人それぞれです。
自分自身が必要だと思って、その必要性にマッチした保険を選ぶ事が一番大事です。
でも、目安は必要だと思いますので、ファイナンシャルプランナー的に「入っていた方がいいかな?」という保険を年代などに分けて紹介します。
今回は20代独身の方向けの保険についてお伝えします
そもそも保険で何がカバーされるの?
一言に保険といっても、商品によってカバーされる保障異なります
大きな分類では、「生命保険」と「損害保険」があり、ざっくり説明すると生命保険は人のための保障、損害保険はモノや会社の保障を行う保険になります。
生命保険では、亡くなったときの遺族の生活などをカバーするための死亡保険(生命保険とも言います)、けが・病気で入院、した場合の費用をカバーするための医療保険、がんになった時の治療や生活費などをカバーするがん保険などがあります。
損害保険では、家が火事や地震の被害にあったときのカバーをする火災保険、車で事故などがあった場合の補償を行う自動車保険、企業が損害を被ったり、被害を出した場合の補償を行う賠償責任保険などがあります。
ご自身がどのようなことに対して保障が必要がを考えて加入するようにしましょう。

20代独身の保険は?そもそもどんな保障が必要かFP視点で解説
20代独身で上記のような保険に加入が必要か考えてみましょう。損害保険である、火災保険、自動車保険はマイホームを持っている人は火災保険、自動車やバイクに乗っている人は自動車保険は必要になると考えていいでしょう。
では、生命保険はどうでしょうか?死亡保険は、前述のように亡くなったときの遺族の生活費などをカバーするための保険になりますので、配偶者や子供がおらず、両親などの暮らしが20代独身の人がなくなったことで困らないのであれば、死亡保険に加入する必要あまりありません。あるとしたら、「死後の整理資金」つまり、お葬式代やお墓代、遺品の整理などに必要なお金となりいますので、準備するとしても多額の保険金を準備する必要はないでしょう。
では、ケガ・病気の時に治療費をカバーする医療保険、がんになった時の治療や生活費などをカバーするがん保険はどうでしょうか?
ファイナンシャルプランナー的には入っていた方がいいと考えますが、「大阪のお金にシビアなファイナンシャルプランナー」としては、必要以上に加入することはないと思いますし、場合によっては加入しないことも選択肢の一つだと思っています。
なぜなら、日本には健康保険制度があり、自己負担額が抑えられているからです。
なので、医療保険、がん保険に加入するにしても、まずは自身がかにゅうしている健康保険制度について確認することをオススメします
健康保険制度について
加入する健康保険制度について
日本の健康保険制度は、病気やケガをしたときに医療費の自己負担を軽減し、安心して医療を受けられるようにするための公的制度です。国民皆保険制度のもと、日本に住むすべての人がいずれかの健康保険に加入することが義務づけられています。
20代が加入する主な制度には働き方によって、以下の2つがあります。
- 健康保険(組合健保・協会けんぽ)
会社員や公務員が加入する制度で、医療費の自己負担は原則3割(小学生未満は2割)。出産手当金や傷病手当金など、所得補償の制度も含まれています。 - 国民健康保険
自営業者、農業従事者、フリーランス、無職の人などが加入。保険料は所得や世帯人数に応じて市区町村が決定します。
いずれの制度も、医療費が高額になった場合には「高額療養費制度」により自己負担額が上限を超えた分が払い戻されるなど、経済的な負担を抑える仕組みがあります。
自身が加入している健康保険がどの制度なのかは健康保険証の下側に健康保険組合名などが記載されているので確認してみましょう

治療費が高額になった場合の高額療養費制度について知ろう
額療養費制度は、日本の公的医療保険に加入している人が、1か月に支払う医療費が高額になった場合、自己負担の上限を超えた分が払い戻される仕組みです。病気やケガで長期入院や高額な治療が必要になっても、経済的な負担を軽減できるように設けられています。
上限額は年齢と所得区分によって異なり、たとえば70歳未満の一般的な所得の人(標準報酬月額28万円~50万円程度)であれば、 自己負担の上限は「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」です。
同じ世帯で複数回発生した場合や、家族が同時に医療を受けた場合は、「世帯合算」も可能です。
あらかじめ「限度額適用認定証」を医療機関に提示すれば、窓口で支払う金額を上限額までに抑えることができます。
高額療養費制度は、急な入院や手術などでも生活を守る重要な仕組みですが、それでも食事代や差額ベッド代など保険適用外の費用は対象外です。
よく聞く、「入院しても10万円くらいしかかからない」というような簡単な説明をうのみにするのは危険です。
なぜなら、高額療養費制度は「暦単位」となっているため、月をまたいでの治療、入院の場合、その月々で計算が行われることや、「入院しても10万円程度」というのは月内であっても前述のように標準報酬月額28万円~50万円程度の人に該当するだけで、収入が増えると収入によって高額療養費の上限額も上がり、負担額が増えることになります。
逆に加入している健康保険組合によっては、上記のような法定制度のほかに上乗せ保障を行っている組合もありますので、確認することをオススメします。加入する健康保険組合の制度を確認する手っ取り早い方法としては、組合のホームページを確認することです。組合名で検索をするとほとんどの場合、出てきますので、検索してみましょう。
今後の健康保険制のの改正にも注意!
現在の健康保険制度が昔からずっとあったわけではありません。わたしが大阪で就職した1990年代は、自己負担が現役世代でも2割でしたし、FP資格を所得した時の高額療養費の一般的な所得の人の基準金額は現在の80,100円ではなく72,300円でした。
つまり、改正によって自己負担額は増えているといえます。また、現在(2025年10月現在)では、改正は「当面見送り」となっていますが、近い将来改正があってもおかしくありません。
絶対とはいえませんが、現在の少子高齢社会や国の医療費負担が財政を圧迫している状況を考えれば、近い将来改正が行われ、どちらかといえば自己負担が大きくなる可能性は一個人としては高いと考えています。
大阪のFP中野は個人的には医療・がん保険の加入をお勧めします!
いろいろな考え方があり、YouTubeなどをみても「民間の医療保険不要論」などはたくさん出てきていますし、ファイナンシャルプランナー中でも民間保険は不要と考える人もいます。
わたし(中野)個人としては、医療保険、がん保険は「入っていた方がいい」と思っています。
医療保険の加入の理由と入り方
医療保険は、前述のように今後、自己負担額が上がることや、食費や差額ベッド代、雑費なども必要です。また自身の体験としては、入院、手術は高額療養費の範囲となりましたが、その後の通院や薬代は別途必要になったので、退院後の出費も考えると、ある程度は保障があった方がいいと考えます。
また、老後に年金生活になった時に、公的年金だけで生活できればいいですが、私個人の予定では現役世代に貯めたお金を切り崩していきならが暮らしていくと考えています。そんな状況の中で、突然入院などで出費が嵩んでしまうと、不安になってしまうと考えています。また、健康保険制度も変わっていき、20年、30年後の自己負担も上がっていくことも予想していますので、最低限は今のうちから加入しておきたいです。医療保険は、保障内容が同じであれば加入時の年齢が低いほど保険料も安く抑えることができるので、「今は健康で、そうそう入院なんかしないだろう」と思っていても加入することをオススメしたいです。
加入するなら終身保障で60歳65歳で保険料は払い込み完了にしたい
医療保険やがん保険の保障期間や保険料の払込期間は選択することができます。
前述の理由から、保障期間は一生涯の「終身」としたいところです。現在販売されている医療保険のほとんどは終身保障となっていますが、途中で保険料が上がるような仕組みの保険や、満期が80歳となっている商品もあるので注意したいところです。
そして、保険料の払い込みは給与などの働いて収入がある間に老後の保障分もも払い込みたいところです。保険料の払い込み方法としては、解約するまで保険料を支払い続ける終身払いと、ある一定の期間支払うとその後の支払いがなく、保障だけ継続される短払いという支払い方法があります。短払いの期間は様々ですが、2年、10年といった期間や60歳、65歳まで支払うなどの年齢で指定する方法もあります
わたしは医療保険は60歳払い済みにしています。

がん保険の加入の理由と入り方
個人的にはがん保険にも加入することをオススメしています。がんは日本人の2人に1人は罹患すると言われています。個人的には、母、祖父、叔母ががんになっていて、治療にはそれなりに長期にお金がかかること、体への負担が大きいため、支出も増えますが、収入が減ってしまう可能性もあるので、診断された時点で保険金が給付されたり、治療中は入院の有無に限らず保険金が給付されるタイプがいいな、と個人的には思っています。
加入するなら終身保障・終身払い、保険料免除特約を付けたい
保障期間は終身保障と医療保険と同じですが、がん保険は終身払いでもいいかな、と思っています(個人的には終身払いにしています)。
理由は、がん治療は年々進化しているからです。昔はがんになると治らない、治療というよりかはケアが中心でしたが、今は治る病気となっているように、治療方針や治療技術は年々進化していっています。これは、国の政策のひとつとして、がん対策推進というものがあります。このため、治療技術の発達などが目まぐるしいため、古いがん保険では今の治療の方法に合わなくっていることもあります。
将来的には今加入しているがん保険が治療方針の変化でつかえない保険となってしまう可能性があるため、終身払いで保険料を安く抑えながら場合によっては新しい保険に乗り換えやすいようにしたいと思っています。
また、現在はいろいろな特約を付加することができますが、基本的には診断時や治療時に保険金が受け取れるシンプルな主契約のみでよいと考えていますが。「保険料免除特約」はつけていたいと思います。
保険料免除特約は、がん保険の場合、「がんと診断された場合、以降の保険料は免除」される特約です。つまり、がんになった後は保険料を払わず保障を得ることができます。
前述のようにがんになった場合、体力の低下から収入が減ってしまう可能性があります。収入が減った状態で、保険料を払い続けることが難しくならないように保険料免除特約はつけておきたいところです。
まとめ
保険と一言で言ってもさまざまな保障をカバーする保険があり、それぞれに保障される内容は異なります。
特に20代独身であれば、生命保険は不要であると思いますが、医療保険、がん保険についてはこのコラムを参考にして加入を検討してはいかがでしょうか?
ただし、やみくもに加入するのではなく、公的保障や勤務先の福利厚生なども確認して必要な保障や必要額を確認しましょう。
大阪や、神戸、奈良の方であれば大阪市内の事務所で相談ができるFP事務所LBプランニングで、じっかしとお客様目線のアドバイスを受けていただければと思います。