相場の急落に備えるために

4月2日にアメリカ、トランプ大統領が発表した相互関税(いわゆるトランプ関税)の公表があり、これを受けてNYダウは2,231ドル安となり、史上3番目の下げ幅となりました
その後、「相互関税」について報復措置をとらない国などを対象に、90日間、措置の停止が発表され、NYダウは2,662ドルと史上最大の上昇がおきました
まさに、「乱高下」でしたね

YouTube界隈などでは「もう株式投資をしていても仕方ない」「〇〇投資の方がいい」などと騒いでいるチャンネルもあるようです

ファイナンシャルプランナーであるわたしも、急落をしたら一時的にはビックリしてしまいますが、だからと言って慌てることはありません

それは、相場の急落に備えているからです

では、相場が急落しても慌てないためにどのようのことをしているのがよいか、お伝えしていきます

目次

知っておくことが大事

よく聞くフレーズかもしれませんが「歴史を知ることは大事」というフレーズがあります

特に戦争や政治などで波乱や不幸なことがあった場合、歴史を知りそこから今の問題を解決することが大事と言われます

これは、資産運用においても同じことが言えます。ニューヨークの証券取引所は1817年開設され、200年以上の歴史があります。この長い期間にはいろいろなことが起きていて、その時にどのような行動をとったらよかったか、どのような原因でそんなことが起こったのかなどを知っておくと、現在の投資にも役立つはずですので、まずは「知る」ことで備えましょう

急落は常に起こりえることを知る

前述のように今回のNYダウの下落は「史上3番目の下げ幅」だったということですが、つまりは、もっと下がったこともある、と言うことになります

過去、大きな下落があったわけですが、NYダウだけで言っても、2024年11月には史上最高値を更新しています。つまり急落があったからといって、そこからずっと下がり続けているわけではない、ということです

世界の人口が増え、世界の人たちの経済力があがることで、株式などの資産は上昇していくのが基本です。一度下がったとしても、この法則に変わりはありませんので、一時の下落に一喜一憂することなく、「相場に居続けること」が大事です

経済は循環しながら成長していることを知る

株式や債券などの資産は経済成長がエンジンとなって、増えていきます

景気(経済)はずっとプラスの方向で成長しているわけではありません。時には経済状況が悪化してその結果として資産が目減りすることもありますが、世界全体の経済は成長と悪化を繰り返しながら増えて行っていることを知っておく必要があります

基本的に次の四つを繰り返しながらも長期では成長していきます

 成長 → 停滞 → 後退 → 回復 → 成長

2025年は2年続いた成長の後の、停滞→後退期になっているのかもしれません

もしかしたら、1~2年は景気は悪くなるかもしれませんが、その後には成長が待っていることを知っておくことが大事です

相場が下がったときは「たくさん買えるチャンス」と知る

資産運用を行っていると、どうしてもすでに購入して保有している資産が増えているか減っているかに目線がいきやすくなってしまいます

なので、相場が下落したことで、自分が保有する資産が目減りしていると心配になっているかもしれません

もちろん、保有する資産が全財産であれば心配になり、何か対策をする必要もあるでしょう

しかし、目線を変えてみると、相場が大きく下落したということは、「安く買えるチャンス」であるとも言えます

特に積立投資をしているひとであれば、今月、来月、相場が下落したのであれば、先月、先々月より安い値段で購入できていることになります

同じ金額を購入しているのなら、安い分だけ「たくさん購入できている」ことになります

相場の下落は損失ではなく、安く買えるチャンスでもあるということを知っておきましょう

あらかじめ急落を想定した資産運用をする

資産運用は利益を得る手段ではありますが、将来使う大事な資産ですから、大きなリスクを取ることで、高いリターンを得ることが期待できるが、大きな損失を被ることになる、ということは望ましくありません

なるべくであれば、必要な金額を必要な時にまでになるべく確実に用意することが大事です

このようなことでリスクを抑えながら、お金に働いてもらうことで、夢を実現してもらえたらと考えています

そのための運用方法をお伝えします

分散投資を行う

YouTubeや証券会社の営業マンなどは「今はこれがいいですよ」「これが上がる可能性が高いですよ」と上がることを期待できるような商品や運用方法を紹介しますが、裏返しとして大きなリスクを背負うことになります

もし、あなたがYouTubeや営業マンを信じて投資をして大きな損失が出たとしても、YouTuberや営業マンは責任をとりません。あくまで投資は自己責任だからです

身を守るためには、自身で資産運用の方法を考える必要があります

リスクを軽減する方法として分散投資が有効な方法ですが、3つの分散投資を考える必要があります

資産の分散

一般的な投資対象として、株式、不動産、債券、金(ゴールド)などがあります

リターンを高めたい時には高いリターンが期待できる投資対象に集中投資をするのがベストです

極端な話、ひとつの企業に全資産を投資することになります。そうすれば投資した企業が大きな成長を遂げれば大きなリターンを得ることができます。しかし、経営がうまくいかない場合は、資産の目減りも大きくなります

株式だけではなく、債券や不動産、金などに投資をすることは大きく成長するということには反することになります。なぜなら、例えば株式が大きく利益を題している時期は金や債券、不動産などのリターンは株式ほど大きくならない可能性があるからです。しかし、株式が大きな損失を出している状況でももしかしたら他の資産の利益がカバーしてくれる可能性があります

複数の資産を持つことで、リスクを下げる効果を期待します

地域の分散

ある特定の国や地域の資産だけでなく、色々な国の資産を持つことです

例えば数年前であれば中国に投資をしておけば、大きなリターンを得ることができましたが、その後(2023~2024年)はどうでしょうか?ご存知の通り、不動産バブルがはじけて中国株式市場は軟調な時期が続きました。その間、アメリカの株式は大きく成長しましたが、2025年4月現在のこの4カ月はアメリカの株式の成績はお世辞にもよいとはいえません

どこかの国が未来永劫成長を続けるとは約束できません、アメリカだけでなく、日本、東南アジア、ヨーロッパなどさまざまな国や地域に「当てモノ」をするのではなく幅広く持つことが大事です

投資タイミングの分散

いわゆる積立投資です。一度に資金を投資に回すのではなく、資金をすこしずつ投資に回す考え方です

今が一番安値なのか、一番高値なのかはプロでもわからないと言います。であれば、もしかしたら今投資することで高値掴みになってしまうかもしれませんし、資金を全額投入していると下がったところで買うチャンスを失うことにもなります

また、投資初心者が一括投資を行った場合、たとえ長期投資を考えていたとしても、いきなり大きな損失が出てしまうと、我慢できずに売却してしまい、その後投資を続けることができなくなる可能性もあります

積立投資であれば、投資直後の投資額は一括投資に比べて少額になります。損失が発生したとしても大きな金額になりにくくなります

まとめ:急落に備えるには運用方針と知識が大事

いかがでしたでしょうか?

資産運用を行う中で急落に備えるためには、投資についての過去の結果や資産運用そのものの知識とそれをベースとした運用方針を考えた上で資産運用をスタートすることが大事です

もちろん、頭でっかちになってしまって、資産運用がいつまでたってもスタートできないのも本末転倒です

事前に最低限の知識を得た上で、あとは「習うより慣れろ」で長く資産運用を続けていきましょう

YouTubeや本などではどうしても知識が偏ってしまいます。自分だけでスタートするのは難しいと感じたときアh信頼できるファイナンシャルプランナーにレクチャーを受けたり、投資方針のアドバイスを受けてスタートすることもいいでしょう

今回の記事も参考になれば幸いです

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この記事を書いた人

中野 敦成のアバター 中野 敦成 ファイナンシャルプランナー(FP)

「この知識をたくさんの人に知って欲しい。そして、生活を豊かに、夢をあきらめず実現して欲しい。そのためのお手伝いをできる仕事がしたい!」と思い、金融機関で勤めた経験もなく勢いのまま会社を辞め、独立系ファイナンシャルプランナー(特定の保険会社や金融機関などに属さないFP)として大阪で2005年に開業。
長年、サービス提供を行っていく中で、先輩FPや仲間のFP、税理士や司法書士などの専門家のアドバイスやサポートを受けて、相談技術や相談実務で役立つFP知識を増やす。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家として責任を持ち、お客様とお会いして相談をお受けいただいた前より、ホッとした表情や笑顔でお帰りになるお客様の顔をみて「やっぱりファイナンシャルプランナーという職業はいい職業やな」と日々実感している。

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