遺言書は「仲がいいから」こそ遺しておくべき

ファイナンシャルプランナーに相続のことをご相談される人が少し増えているようでうれしく思います。

もちろん、税理士や弁護士、司法書士などに相談することもよいのですが、

税理士は税のこと、
弁護士は揉め事、
司法書士は登記や遺言など

分野が決まっているので、そもそも何が問題なのかが整理できていない人や

トータルにアドバイスが欲しい人にはファイナンシャルプランナーが

お役に立てるのかなと最近実感しています。

相続のお悩みでよくある質問は「遺言書は書いておいた方がいいでしょうか?」というものです。

遺された人たちのことを考えると遺言書はあった方がいいと思いますが、

時と場合によっては遺言書が揉め事の火種になることもありますので、

遺言書を書く人の注意が必要な場合があります。

逆に、「うちは家族仲がいいから遺言書はいらない」という人もいらっしゃいますが、

個人的には「仲がいいからこそ書いておいた方がいい」と思っています。

仲がいいのに遺言書を書く理由

「仲がいいのであれば、相続で揉めないから遺言書は必要ないのでは?」

と疑問に思われた方も多いかと思いますが、

仲がよくても「うっかり勘違い」することは多々あります。

例えば、二人兄弟でAB二つの土地を相続したとします。

二人は仲良しなので、親からも「万が一の時はそれぞれ土地を一つずつ相続してくれ」と言われてました。

そして、相続した時に、兄弟がそれぞれ「私がA土地を相続して兄(弟)がB土地を相続する」と思っていたらどうでしょうか?

もちろん、どちらかがA土地を諦めてB土地を相続すればいいわけですが、長い期間の思っていたことが違うとなると何かしらの問題に発展することも考えらえます。

トラブルにならなかったとしても、相談する時間はもったいない時間です。

遺す方が「A土地は兄が、B土地は弟に相続させる」と言い遺しておけば、仲がよいなら、その遺言は何の問題もなく実行されることになるでしょう。

遺された人を悩まさないためにも遺言書を遺すことは大事です。

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この記事を書いた人

中野 敦成のアバター 中野 敦成 ファイナンシャルプランナー(FP)

理系の大学を卒業後、エンジニアとして就職、金融機関勤務を経ず、2005年独立系FP事務所LBプランニングを開設。年間500件以上のマネー相談を受け、「生活者目線のわかりやすい説明」が評判を呼び、NHKや関西テレビなどでの出演、auカブコム証券、ARUHI、信用金庫などでのマネー記事の執筆、企業や行政などでのマネーセミナーなどの実績を持つ。現在も個人の住宅購入、資産運用、保険の見直しなどマネー相談を中心に活動中。2級ファイナンシャルプランナー技能士、AFP、証券外務員二種、DCプランナーを保有

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