温暖化の問題は、地球環境を守るためにも重要ですが、経済にも影響を及ぼすようです。ファイナンシャルプランナーの視点から記事の内容をお伝えしたいと思います。
温暖化が進むと経済がマイナス!?
温暖化への対応が遅れると2100年には世界のGDPが25パーセント消える可能性があるというレポートを気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(NGFS)がレポートに書いたようです。
なぜ経済にマイナスの影響が出るのか不思議ですよね。次の2つが考えられているようです。
企業のコスト増
地球温暖化が進むと、温暖化対策のために、ガソリンなどの化石燃料の使用の制限が行われる可能性があるからです。日本では最近、レジ袋の有料化が行われましたが、企業によってはレジ袋を無料で提供し続けているところもあります。ただし無料で提供されているレジ袋は今までのレジ袋ではなく、環境に優しいバイオマスが使われているレジ袋や、何度も使える厚手のポリ袋など条件があります。
これらは、今までのポリ袋より割高になっているので、企業としては負担が大きくなっています。
同じような考えで、ガソリンなどの化石燃料の利用制限が行われると代替エネルギーを使う必要があり、割高になり、コストの負担が上がる、結果として利益が出にくくなってしまうことに繋がります。
自然災害の増加
ここ数年、日本も大型台風などで大きな被害をうけることが多くなっています。ひとつに温暖化の影響があるのではないか、ということです。
さらに温暖化が進めばさらに自然災害が大きくなる恐れがあります。
災害被害によって建物などが壊れてしまったらマイナスの影響になってきます。
私たちの生活でも温暖化ですでに出費増!?
実はすでに私たちの生活の中でも温暖化に伴う出費増が出てきています。
それは、火災保険の保険料です。
火災保険は損害保険なので、自動車保険と同じように原則1年契約ですが、長期契約と言って数年分を一括で契約することができます。ただし、原則1年契約なので、途中で解約した場合、未経過分の保険料は戻ってきます。
そして長期契約の場合、割引があります。保険会社が将来の保険金を預かっているような形になるので、その分に対しての利息分が割り引かれる形になっています(正確な表現ではありませんが、わかりやすく文章にしています)
火災保険は数年前まで最大35年の長期契約が可能になっていましたが、昨今の災害像により、長期での補償を計算できなくなってしまい、最長10年となってしまいました。
この火災保険も10年でも補償をするリスクが高まっているため、数年後には最長5年になるともいわれています。
災害が増えていることで保険料が上がっているのに重ねて、長期契約による割引も受けることができない・・・つまり、保険料負担が増えているのです。
資産運用にも影響が・・・
わたしがファイナンシャルプランナーとしてアドバイスしている資産運用は長期分散投資です。
長期分散投資の考え方は、世界の人口の増加やテクノロジーの発展で経済が成長していき、その結果として株式や債券などの資産も成長する・・・というものです。
レポートで報告されたような温暖化がGDPにマイナスの影響を及ぼすことになれば、私たちの資産運用にも影響が出てくることになります。
温暖化についても他人事ではなく自分事として、できることからやっていく必要がありますね。